サンゴ礁に群れる色とりどりの熱帯の魚、真っ青な海に白い雲・・・。宮古島の海は素晴らしい。スクーバダイビング、サーフィン、カヌー、海で遊ぶ人たちにとっては将に「この世の天国」である。そんなことをしない高齢者にとっては「宮古島はサトウキビ畑だけの只の暑い島」だそうだ。そんな何にもない所で「のーんびりと」過ごしたいと思って梅雨の明けた7月の初めに一人で訪ねてみた。
「何もなく」はなかった。陸上にも私の大好きな昆虫や珍しい植物、不思議な地形もあって見るものに飽かなかった。サトウキビ畑では「日本で一番小さい」イワサキクサゼミが鳴き、夜になると陸生の大きな「ミヤコマドボタル」が光った。民家の庭にはパパイヤや島バナナがたわわに実り、マングローブの森に覆われた湿地帯には大きなノコギリガザミやオカヤドカリ、トビハゼなどの魚が沢山いた。「ガー」と呼ばれる井戸の周囲は「怪しげな」御嶽の社でここも心霊スポット好きには堪らないだろう。 街中には夜市のようなものもありチキンジャーキーやタコライスをつまみに夜風に吹かれて飲むオリオンビールは最高にうまかった。
島ではバスの便が極端に少ない。一つ逃すと1時間、時には3時間も待つ必要があった。カードが使えないうえ釣銭が出ないから百円玉、十円玉をジャラジャラ持ち運ぶ必要もある。本土ではよほどの田舎でもそんなことは余りないがそんなこともたまには良い。
島の人たちはどこでも大変親切だった。バスと歩きと沢山の人に助けられて「のんびり」どころか1日3万歩、4万歩も歩いて「忙しく」「楽しく」「大いに疲れて」旅を終えることができた。「ミヤコキンカメムシ」や夜咲いて朝には散ってしまう「サガリバナ」、「フウリンブッソウゲ」などの動植物も見ることができ大変面白い旅であった。
海もいい。陸もいい。人が親切なこと。「家族連れのリピーターが多い」と言うがむべなるかなである。
写真説明 |
写真1 |
島の7割はサトウキビ畑で日本一小さいセミ(イワサキクサゼミ)がいる。 |
写真2 |
サガリバナ。暗くなると咲き始め朝には散ってしまう。 |
写真3 |
フウリンブッソウゲの花。 |
写真4 |
ミヤコキンカメムシ。カメムシ臭はほとんど無い。 |
写真5 |
マングローブの林。ここも生物の宝庫。 |
写真6 |
どこの家でも庭に島バナナ、パパイヤを植えてある。 |
以上