氏 名
眞殿 宏
 所 属
東燃本社OB会
 掲 載 日
2025年07月24日
表 題

 回想の満洲旅行

本   文 

 1939年(昭和14年)1月満洲帝国新京特別市(現吉林省長春市)で生をうけた。旅行社のパンフレットに「旅順・大連・瀋陽・長春・ハルビン8日間の旅」を見つけ、これが最後の海外旅行と参加を決し、6月21日から28日まで彼の地を訪れた。

 私の眼目は生まれ育った長春。ツアー紹介に長春1泊があったことが決め手である。一泊すれば地元ガイドと単独で話す機会もありそうだ。そう期待しての満洲行きであった。結果は期待通りだった。
 高齢のガイドはこの地で生まれ育った人。十数項にわたるこちらの質問に明解な答えを返してくれ。バスで巡る際、子供の時代遊んだ記憶のある場所で休憩をとり、その変化を見る機会を作ってくれた。それは新宮殿建設用地だったところで、当時我々は「宮廷府」と呼んでいた場所。その新宮殿は建設途上太平洋戦争が始まり、コンクリート打ちっ放しの状態で工事が中断し、子供の格好の冒険場所だった。戦後吉林大学付属自然史博物館(地質宮)として再興されていた。
 しかし、自宅の在った一帯は再開発され、日本の名残は何もないと聞かされた。また小学校は、建替えられ長春第二中学校として存続しているとのことだった。
 新京は首都として白紙の上に作られた町、整然と区画整理された町並みはそのまま残り、公的建造物(関東軍司令部、諸官庁、満洲中央銀行、満洲電電など)は吉林省政府に活用され、広場や公園は子供のころと変わらぬたたずまいを残していた。
79年ぶり、たった1日の里帰り、思い切って参加して良かった!

以上 

       
 
二百三高地(旅順)
 
僞満皇宮博物館
 
関東軍司令部
 
             
     
 
宮廷府(地質宮、隣の女性は
母(故人)が新京出身)
 
聖ソフィア大聖堂(ハルビン)
 
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